第2日目 大朝日小屋-以東岳-大鳥池-大鳥キャンプ場

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行程

地名到達時刻所要時間
大朝日小屋04時32分
竜門山06時38分126分2時間6分
北寒江山08時22分104分1時間44分
以東岳10時52分150分2時間30分
オツボ峰経由大鳥小屋13時33分161分2時間41分
泡滝ダム15時57分144分2時間24分
大鳥オートキャンプ場18時57分180分3時間
一日の歩行時間
14時間25分
日付:2013/08/15

山行記

大朝日岳から北寒江山

昨日の夜、何度も検討をしてみたが、わたしの脚力ではどうしてもこの日一日で大鳥まで歩けてしまうことが地図の上から確認できた。
大朝日岳から北に歩くと、徐々に標高が低くなるので、歩くペースが速くなるらしい。最後に以東岳に登ると、後は大鳥池まで急坂道を下る様だ。

山小屋の泊まり客は以外に朝が早く、午前4時に気象をすると、すでに出発をしているグループもいた。縦走路ならともかく、それ以外の道でこんなに早く出発をしてどこを歩くのだろう。不思議だ。

日の出は5時前で、薄曇りの東の空から登って来たが、一昨日の飯豊山の日の出の鮮烈さはない。雲が太陽の光を減じてしまっているのが残念だ。この朝日の弱さでは、影朝日は見られないだろう。少しだけ残っていた存念も払いのけることが出来た。
大朝日岳の山頂からの眺望は、次回、3回目の登山の楽しみとして取っておこう。

飯豊連峰が丸いピークを連ねた山塊なら、朝日連峰は美しい円錐形が連なった山塊となっている。荒川を挟んで好対照の山脈があったものだと感心をする。
朝日連峰は最高峰の大朝日岳が標高1870mと低い山並みだが、1500m前後の稜線も含めて縦走路は全てが森林限界の上に突き抜けている。樹木が無いので眺望はすこぶる良い。
稜線はハイマツか笹に覆われていることが多いので、全体としては緑色をしている。残雪は僅かしか見られない。

花はタカネマツムシソウの淡い紫色が一番多く見られる。それとハクサンイチゲの群生もあちこちにある。黄色い花はトウゲブキ、オレンジ色の花はニッコウキスゲ。すでに花の季節が終わっているので数が少ないがヨツバシオガマも見られた。

縦走路を南から北に歩くと、常に正面に小さなピークが迫っている。
このピークを越えると、風景が少なからず変わるのが良い。僅かの距離を歩いただけでこれだけ景観の変わる山並みも珍しい。北アルプスの後立山連峰の縦走路などは、半日歩いて正面左手に見えていた立山連峰と剣岳がようやく左手やや手前に見える様になったと言うほど変化に乏しい。もっとも、これは北アルプスの景観の大きさが実感できるので、悪いことでは無い。

西朝日岳や竜門山から北東を見ると月山がなだらかな円錐形の山容を見せている。月山に登ったときは10月というのに吹雪いてしまい100m先も見えず、登山口と山頂を往復したという以外に景観の記憶は無い。
これほど美しい山容の山かと見ほれてしまう。松尾芭蕉が登ったと聞いているが、美しさに惹かれたからだろうか。

北寒江山でこの日最初の休憩を取る。とても歩きやすい縦走路なので、ここまで一気に歩いてしまった。
山頂からの見物はなんと言っても以東岳だ。立派な山容の山で、北の端に1770mの以東岳が聳え、南の端に大朝日岳が聳えているのは、朝日連峰の景観を引き締めるのに一役買っている。

北寒江山から以東岳

北寒江山が徐々に下って行く山の最後のピークで、北寒江山のピークから見る以東岳は、手前に深々と鞍部を掘り、ぐっと山容を持ち上げているので、なかなか立派に見えるが、あの山を登って越えるのかと思うと、いささかうんざりしてくるのも事実だ。
手前の鞍部は標高が1514mまで下るので、257mを登ることになる。

鞍部から以東岳の登りにかかる。
長い坂道だが、疲れの出るほどにはまだ歩いていないので、以外にあっさりと山頂に着いた。
振り返ると長い稜線の最奥に大朝日岳の三角錐の山頂が見える。眼下には東沢の深い谷が有り、大鳥池が“大”の字を描いている。
あまりに景観が良いので、ここでちょっと早いが二回目の休憩を取った。

景観に見とれていると、カップルが登って来た。
大朝日岳まで縦走をしたかったが、大鳥池から以東岳の登り道で体力と時間を相当に消耗してしまったらしい。縦走は諦めた様な事を言っていた。
縦走路を歩いて来たので分かるが、朝日連峰を縦走するなら、高所から低所に水の流れる様に自然に歩ける南から北上するのがお薦めだろう。そのように話すと納得した様だった。

大鳥池

大鳥池はわたしが渓流釣りに夢中だった頃、タキタロウ伝説の湖として知った。
地図で見て想像していたよりは大きな池で、カヤックでも浮かべたら気持ちの良さそうに見えた。もっとも、カヤックなどのボート類の利用は禁止されている。

以東岳から大鳥池までは、通常は直登路を取ると思うが、山頂から北に延びる稜線が余に見事で美しいので、やや遠回りとなるがオツボ峰の尾根道を下ることにした。

この選択は正解だったと思う。
以東岳からオツボ尾根までは、左手下に大鳥池、右手中空に月山、下に朝日連峰から派生した尾根とその谷筋が見られる。美しい景観だ。
オツボ尾根を越えると、正面に三角峰から戸立山に延びる立派な尾根が目を楽しませてくれる。その代わり大鳥池は尾根に隠れて見えなくなる。

道の傾斜がきつくなるのは三角峰を越えてしばらくしてからだ。
階段の様な急斜面となる。もちろん、階段などは設けられていないので、20度から30度の傾斜の斜面をまっすぐに下ることになる。晴れているから良いが、雨でも降って道が泥濘んだら登りも下りも立ち往生するのではないかと思える道が大鳥池まで続いている。

大鳥池には水門が設けられていて風情をぶちこわしている。下流の農水の水量の調整のための水門を設けたと石碑まで建てているのは税金の無駄遣いの見本だろう。

大鳥までの道

大鳥小屋には多くの登山者が居た。
泡滝ダムの駐車場までクルマできて、泡滝ダムから大鳥まで歩いて来たらしい。車がある以上は縦走は難しく、以東岳に登るのだろうか。それとも、大鳥池の釣りが目的の釣り師だろうか。

大鳥沼から泡滝ダムまでは七曲の斜面を除けばほぼ平坦な道が続く。
ただしあくまでも登山道の作りであって、遊歩道的な楽な道では無い。それでも、釣り竿とたも網を担いだ釣り師とすれ違ったときは、少し気の毒な気がした。登山なら楽な平坦な道でも、釣りが目的ならひどい道に感じるだろう。

車道に出ると、数十匹のブヨがよってきた。
噛むブヨは少ないが、歩く足や振る腕にブヨがぶつかるくらいの密度なのには閉口した。虫除けスプレーは役に立たない。3時間ほど歩くと大鳥の集落が見えてきた。お盆の期間と言うことで、大鳥集落では夏祭りをしているらしい。神社に提灯が多数かけられていた。歌声も聞こえてきたので立ち寄ってみたかったが、さすがにその体力は残されていない。

大鳥のテント泊

大鳥に着き、オートキャンプ場にテントを張る。
ここのオートキャンプ場はタキタロウ公園の一施設の様だ。昭和63年に何らかの企画で中央からの助成金を受けて整備を下らしい。無料で開放をしていた。

夏休みらしく、オートバイが2台、ファミリーキャンパーが5組、テントをすでに張っている。彼らは荷物を運ぶのにオートバイや車が必要なので、車道沿いにテントを点々と張っている。
ひとかたまりとなっているので、それらを避けた離れた静かなところにテントを設営した。

テントを張り始めると無数のブヨがよってきた。
テントに入ると、10匹以上のブヨも入ってしまった。一匹一匹手づかみしてテントの外に放り投げる。
不思議なのは、ブヨは日が沈むと居なくなることだ。静かになったと思うと、こんどは小さな蚊が湧いてきた。数は無数だ。

テントのベンチレーターの1cmほどの穴から入ってくる。気づいたときには数十匹の蚊がテントの室内に入ってしまっていた。すばしこいらしく、手で叩いてつぶすと、殆どがすでにわたしの血を吸っていて、真っ赤になって潰れた。30分ほど蚊と格闘をして退治したときには、左右の手のひらは自分の血で真っ赤になってしまっていた。
この蚊は、面白い奴で、刺されても全く痒みも痛みも伴わない。赤く晴れもしない。
もし痒みがあったら、数十匹の蚊に刺されたのだから、かゆくてとても耐えられなかっただろう。

キャンプ場の入口に商店が合って、お酒の販売もしている。
午後8時近かったが、お店に声をかけると、ビールを売ってくれたのはありがたかった。大鳥は標高が300mしかなく、思っていたよりも気温が高い。よく冷えたビールを飲んで冷たさを感じないと眠れそうに無かった。

地図

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