第3日目 御西小屋-北股岳-朳差岳-大石ダム

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行程

地名到達時刻所要時間
御西小屋04時37分
北股岳07時51分194分3時間14分
大石山分岐10時51分180分3時間
朳差小屋12時04分73分1時間13分
朳差小屋(休憩と水場往復)12時43分39分39分
林道終点16時10分207分3時間27分
大石ダム17時58分108分1時間48分
越後下関駅19時58分120分2時間
一日の歩行時間
15時間21分
日付:2013/08/13

山行記

御西小屋のテント泊

早朝の気温は10℃。夜半から突風が吹き出して来て、テントの中にも風が入り込み大変に寒かった。8月、盛夏の2000m級の低い山と考えていたのだが、防寒用具が足りなかった様だ。テント内の体感温度は5℃以下にまで下がっていた様に感じる。防寒シャツなど用意をしてきた防寒具を全て身につけてようやく寝られる程度の暖かさしか得られなかった。これで雨でも降られたら寒さに耐えられないだろうと想像もしたが、この日の朝の気温の低さは晴天のために起きた放射冷却であることは明らかなので、雨天となればかえって気温は高くなるはずと思い返す。

御西岳から北股岳

飯豊連峰縦走路のハイライトと言えるのは、飯豊本山から北股岳までの標高が2000mを超えるピークが有る区間だろう。森林限界を越えた稜線は見晴らしがとても良く、“飯を豊かに盛った山”と書かれる名前の通りに、山盛り飯の様な丸っこいなだらかな山容のピークが稜線の多く見られる。それでいて、稜線から北と南に派生する尾根は険しく鋭く、谷は深く切れ込んでいる。この二様性が飯豊山の魅力の一つだろう。

飯豊山から御西岳までの縦走路を昨日歩いたときは、深いガスがかかってしまい稜線の景観はなにも見られなかった。
この日は、日の出前の出発となったが、空には明けの明星が輝いていて、夜明け時刻の晴れを約束してくれていた。風が強く、おそらく風速は20m/sを越えていただろう。日の出るまでの気温は10℃だったので、体感温度は氷点下10℃以下と言うことになる。

御西小屋を後にして北股岳に向かう途中、空を太陽が焦がしはじめた。
朝日は飯豊本山の肩から昇るらしい。逆光で飯豊本山は黒々と浮き上がり、背景の空がオレンジ色となって行く。
太陽の出るのは一瞬で、日が昇るととたんに気温が上昇をはじめた。身につけていた防寒衣類を全て脱ぎ、いつもの通りのシャツ一枚の服装に変わる。

御西岳から北股岳までの稜線のくぼみにはたっぷりと残雪がある。汚れて黒っぽくなった残雪は殆ど見られず、どれも白く輝いているので、山を覆う草木の緑と良いコントラストを作っている。8月でこれだけ多くの残雪が見られる山は南アルプスや北アルプスにも無く、北海道の大雪山くらいだろう。飯豊山の山域の積雪量の多さが分かると共に、気候の厳しさも感じさせてくれる。

残雪の融けた後はお花畑になることがある。
面白いことに、8月のこの時期に初夏の花のショウジョウバカマが花を咲かせていた。雪の解けるのを待って花を咲かせたらしい。飯豊山では、初夏から初秋の花を同時に見られると聞いていたが、その通りだった。
ホソバヒナウスユキソウの花を探してみたが、この花は残念ながら全て咲き終えてしまったらしく、枯れかけた花の後しか見られなかった。ウスユキソウの仲間は残雪の後などの湿地性の土地を特に好むわけでも無いので、やむを得ないだろう。

北股岳から朳差岳

森林限界を越えた稜線の道は頼母木山(たもぎ)の先辺りまで続く。北股岳から頼母木山の先の大石山までは下り一途の歩きやすい道となっている。
稜線の上は笹が覆っていることが多いが、笹の中に小規模なお花畑が点在している。
海花皮小屋、頼母木小屋と水の補給の楽に出来るポイントがあるのがありがたい。

頼母木小屋を過ぎると樹林帯に入るが、樹木の丈はそれほど高くない。
大石山分岐から一度下ってから、鉾立峰、朳差岳に登り返す。この登りが結構きつかった。

飯豊山荘からの登山道が北股岳の北の稜線で合流している。このためか、北股岳の北の道で多くの登山者とすれ違ったが、頼母木山から大石山のあいだの道でも数名の登山者とすれ違った。時刻から行って朳差岳を経由して登って来たとすると合わないので、奥胎内からの入山者らしい。

朳差小屋

朳差岳の小屋は無人、無料の避難小屋だ。
日中のことなので泊まり客は無いだろうと思っていたら、すでに居た。
稜線の上は太陽に熱せられた炎天下だが、小屋の中はヒンヤリとしていて涼しく快適だった。ここが最後の水ばなので飲料水の量を確認してみると1L残っていた。
少し足りないので、水場を往復することにした。

水場は以外に遠く、往復で15分ほどかかった。急な坂道を下る。坂の最後は踏み跡程度で、多少の危険を伴う。水場は沢の源頭を利用しているが、水量は少なく秋には涸れるのではないかと余計なことを心配する。
大石ダム(東俣登山口)から朳差岳を歩く場合、ここの水場が利用できないと、頼母木小屋の水場まで水場は無い。2時間以上も歩かねばならない。下りなら良いが登りだと大変なことになる。

朳差小屋から大石ダム

朳差岳から大石ダムまでは、地図では下り一途の尾根道となっている。
歩いて見ると実際にそうだった。かなりきつい坂道が東俣の林道の終点まで続く。1時間も下るとつま先が痛くなる道だった。

下るので樹林帯に入り、それまで吹いていた風を樹木が遮るので、蒸し暑い。
日中、下りならともかく、この登山道を上るのは暑さとの勝負で相当に大変だろうと想像をしていると、結構登ってくる登山者に出合う。
毎度のことだが、登ってくる登山者というのは、目的地までの所要時間を下ってくる人に聞きたくなるらしい。ここでも聞かれた。暑さと登りの体力の消耗で冷静な判断力が鈍るらしい。当然だが、登りに要する時間と下りに要する時間は異なる。そして、下ってきた人に登りに要する時間は分からない。
朳差岳の山頂からここまでに要した時間を答えるにとどめる。この坂の勾配と暑さでは、下りの倍近い所要時間なのではないかと想像をする。

朳差岳から大石ダムまでの下りは、出来るなら気温の上がる前の早朝に歩くのが良さそうだ。
大石林道の終点にたどり着き、ホッと一息を入れる。

大石林道を徒歩でダムまで歩くのだが、ブヨの多いのには参った。林道歩きの時の虫刺されは覚悟していたので虫除けスプレーを用意してきたのだが、殆ど効果が無い。塗布した直後は虫がよってこない様な気がするが、それも数分間だけで、虫除けスプレーの成分が汗で流れ落ちてしまうのか、虫が成分に慣れてしまうのか、すぐにブヨがよってくる。
数カ所噛まれたが、幸い噛まれた跡で痒みを覚えたのは1カ所だけだった。このブヨは大石ダムのダムサイト脇まで着いてきた。

大石ダムに着いて水を補給し、休憩を取る。
大石バス停を経由する路線バスの最終便の時刻はすでに過ぎているので、歩いて越後下関駅に行くか、タクシーを呼んで乗って行くかの選択となる。ここからは携帯電話が通じるので、タクシーが呼べるのだ。
時刻を見ると、余裕で駅まで歩けそうに思えたが、念のため関川村で営業をしているタクシー会社の電話番号をGoogleで調べて控えておく。

大石ダムから越後下関駅

大石ダムから道を下ると、様々の観光施設、レジャー施設の看板が目に入る。
オートキャンプ場や温泉、釣り堀などがある。
ダム建設に伴って建設をしたらしい。これらの施設のいくつかは今でも営業をしているらしいが、幾つかは廃屋となっていた。

地方の農村、山村、漁村のある地方自治体の財政は、殆どが大変に悪化しているのだが、こうした現実を見ると、悪化して当然という気もする。観光のためと言うことで金銭を投入するのだが、計画の段階で明確で黒字となる様な収支の計算は出来ていないことが多い。税収の増収増益を夢見て金銭を投入したが、結果は赤字で事業は廃止、残るのは債務だけと言うことになる。
関川村には大変に申し訳ないが、大石ダム程度の小規模なダム施設とダム湖が観光客を誘致するきっかけとなる事はまず無い。また、都会に住むキャンプ愛好家は、大石ダムでキャンプを楽しむという積極的な理由を見いだせないだろう。

30分ほど山岳道路を歩くと、集落を縫う2車線の道路に出られた。
この道路に路線バスが通っている。
車道を通る車は以外に多い。この奥には多くの人口があるらしい。
国道に出ると、歩道はあるにはあるが雑草で覆われていてとても歩けたものでは無かった。米板線の線路沿いに細い舗装道路があるのを見つけたので、そちらを歩くことにした。

駅の周辺にコンビニのあることを期待していたのだが、無かった。北海道ならどんな小さな村でも中心部にはセイコーマートがあるのだが、東北地方にはこの地方を地場とするコンビニ・チェーンが無いので、こうした点では不便だ。

駅は市街地の西端にあって、市街に入ってから意外なほど歩かされた。
到着したのは電車の来る20分ほど前で、余裕があった。

地図

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