第1日目 広河原-大樺沢-北岳-両俣小屋

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行程

地名到達時刻所要時間
広河原05時24分
二俣07時59分155分2時間35分
八本歯のコル10時03分124分2時間4分
北岳11時40分97分1時間37分
休憩11時54分14分14分
両俣小屋16時37分283分4時間43分
一日の歩行時間
11時間13分
日付:2012/07/21

山行記

早朝、広河原をあとにします。
広河原山荘のテント場に前泊をしていました。
ルートは単純で、大樺沢を直登して八本歯のコルに登ります。

大樺沢の雪渓は雨のためか、表面の柔らかい層が無くなっていて、二日前に比べる峠とやや歩きにくく感じましたが、これも慣れの問題で、30分もすると気にならなくなりました。
先日は晴れて暖かい日だったので、雪渓の上を風が吹き抜けると涼しくて気持ちの良いものでしたが、この日は雨で気温はようやく15℃、雪渓の上を風が吹くと肌寒く、気温も12℃まで下がることもありました。

八本歯のコルで北岳から下ってくる人と出会います。
雪渓の下り道を気にしていたのですが、アイゼン無しでも上れたと言うと、安心したようで下ってゆきました。
大樺沢の雪渓は難路ですが、アイゼンが必要と言うほどのものでもありません。
ただ、この年は積雪が多く、昨年の7月上旬に見た雪渓よりも残雪の量は多いように見えました。

キタダケソウ

北岳の山頂の直ぐ下で、キタダケソウを見つけます。
ぱっと見にはハクサンイチゲやチングルマとよく似た白い花です。高山植物の花を見慣れていないと、区別は付かないかもしれません。
キタダケソウの花の数は四つほど。岩の上にハクサンイチゲに囲まれて咲いていました。

ハクサンイチゲやチングルマやチョウノスケソウの花に比べると、花びらの厚みが薄く出来ているようで、透けて見えるような気がします。
これまで写真でしか見たことがなかったので、ハクサンイチゲなど同じ季節に咲く花との区別が付きにくかったのですが、実物を見てみると、花の作りや葉の形はまるで違っています。
今後は見落とすことは無いでしょう。
たまたまキタダケソウを見つけたときに雨が小降りとなったので、背負ってきたマクロレンズに交換をして、花の撮影を行うことが出来ました。
デジタル一眼カメラの交換レンズとして、マクロレンズと望遠レンズを持参してきたのですが、天候が悪くてレンズが交換できたのはこの北岳だけでした。

廃道の登山道

北岳から肩ノ小屋に下る途中に左に分岐する道があります。
この道を降ってゆくと両俣小屋に至ります。

山と高原の地図では実線で描かれているので、沢沿いの道と言うこともあって遊歩道のような楽な道と思いながら歩き始めたのですが、入り口を100mも下ると、踏み跡すらないガレ場にいたり、道を示すマーキングも見あたりません。
国土地理院の1/25000の地図を見れば右手が崖、左手が急斜面の尾根のうえの道をしばらく歩くことがわかるので、これが分かれば道を見失うことはないのですが、入り口から踏み跡すらないのには参りました。

尾根の上の道はハイマツの中を通ったり、ガレ場の上を横切ったりしながら下ってゆきます。
中白根の頭から急斜面を、ジグザグを切らずに直線的に下ってゆくのですが、このあたりとなると、登山道の様子はわずかしかなく、沢のような、雨水が流れ落ちた跡の様な道を降ります。
引き返すならこのあたりが最後でしょう。
ここを過ぎると、引き返したくても引き返せなくなります。

長い長い坂を下ってゆくと、最後に道が無くなります。
木製の梯子が沢筋に朽ちているので、道を間違っているのではないことが分かります。
豪雨で道が押し流されてしまったようです。
標高は約2000mほどのところです。

斜度30度から35度くらいの斜面を、道が無いので、手足を使って腹ばいになって下ってゆきます。
背中の荷物が重いので、腹ばいでないとバランスを崩してしまうのです。
30分ほどかけて道のない斜面を下りきってほっとしながら歩いていると、左俣沢の岸に道が無いことが分かってきました。

スパッツとカッパを重ねて身につけていると、膝下の徒渉では水が容易に進入してこないことが分かりました。
しかし、6回か7回の徒渉を繰り返していると、場所によっては推進が膝上までのところもあります。いつの間にか、靴の中が水浸しになっていました。

遠くに釣り人が二人見えたときには、小屋はもう近いとほっとしました。
両俣小屋のご主人の話では、この北岳から両俣小屋までのルートは嵐で流されて以降補修の予定はなく廃道ということです。
山旅というのは地図で得られる情報以外は少なければ少ないほど楽しい旅になるのが通例なのですが、今回の様に過酷な山旅となる事もしばしばあります。

地図

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