第1日目 島々-島々谷-徳本峠

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行程

地名到達時刻所要時間
島々11時00分
二俣12時38分98分1時間38分
岩魚留小屋15時08分150分2時間30分
徳本峠18時22分194分3時間14分
一日の歩行時間
7時間22分
日付:2011/09/07

山行記

島々

松本電鉄上高地線の新島々駅まで電車に揺られて行きます。甲信国境を走るJR小海線も地方色豊かな路線でしたが、上高地線はそれを上回るほどの旅情を感じさせてくれます。乗客は意外に多く、1/3の客が座れずに立っていました。

地元に密着した路線で、駅と駅の距離がグンと近くバス停並みです。しかし乗客の半分は登山客かハイカーの様で、それは服装や装備で分かります。みな新島々駅まで乗ります。

10年ほど前、野麦峠を越えて飛騨から信州に抜けた時に初めて島々を通ったのですが、民家の疎らな深い山中を走ってきて、新島々のバスターミナルの大きさと周辺の殷賑ぶりに驚いたことがあります。
電車から降りる乗客の数の多さをかぞえたりしていると、バスターミナルの規模が大きい理由が何となく分かってきます。上高地は一般の自動車の通行は禁止されているので、手前の駐車場に止めてバスで入るのですが、乗用車では入れないのなら最初から電車とバスを利用して上高地を目指す人も多いようです。

バスのチケット売り場で、バス会社の人に新島々駅から島々の登山口までの移動手段を相談すると、「徒歩なら1時間かかるが、バスなら15分。10分後に乗鞍に向けて出発をするバスに乗ると良いでしょう」と教えて貰い、当初は徒歩で島々まで行くつもりだったのですが、バスに切り替えました。
これは正解で、徳本峠に着いたのが日没後の午後6時過ぎ、残照を頼りに最後のきつい登りを上りました。もし、バスを使わずに歩いて居たら、完全な暗闇となっていたはずです。
秋の山歩きの難しいところは、体力的には歩ける距離でも日照時間が日に日に短くなって行くので、日暮れ前に目的地に着けるかを計算することでしょう。

二俣までの島々谷

島々宿はツーリングで何度も通っているのですが、全く印象に残っていません。島々宿のバス停で降りて歩き始めた時に、四囲の民家を眺め、理由が分かりました。没個性の家屋ばかりが建っていて、山村らしい鄙が全く感じられません。周りを囲んでいる山並みは樹木で覆われた平凡な山で、これでは通りすがりの旅人の印象には残らないでしょう。
現代の島々は単なる経過ポイントの様です。

島々宿から島々谷に入ると、しばらくは林道歩きとなります。この林道は集落の外れにあるゲートで一般車の進入は禁じられています。そのおかげで、ゲートより先は車を気にせずに歩くことが出来ます。登山に来て何が嫌だといって、車を気にしながら歩くことほど嫌なことはありません。

二俣に公衆トイレがあります。東屋か、せめてベンチでも設けてくれると休みやすいのですが。

二俣には三木秀綱夫人が安曇の住民に殺害されたことを哀れむ石碑が建っています。建立は平成3年と書かれていてそれほど古くはありませんでした。石碑には折口信夫の和歌が一首彫られています。石碑の台座には島々まで6.9KMと彫られています。

この石碑は、息をせききって日本全体が走っていた昭和の時代がバブルの崩壊と共に終わり、深く自分たちの足元を見つめる平成の時代になったことの一証左の様な石碑です。
落人狩りは戦国時代の習いなのですが、三木秀綱本人ならともかく罪のない秀綱夫人を殺害したことが、平成の世になって安曇の住民の心に刺さったとげとなったようです。それで、こうした石碑を建てているのでしょう。

徳本峠までの島々谷

二俣を過ぎると谷は深くなり、水流は激しくなります。
ところどころ、大雨の影響で道が押し流されていて、そうした箇所はまだ踏み固められていない巻道が設けられています。人によっては恐怖を感じるかも知れません。

岩魚留小屋と二俣の中間辺りでは、コンクリートの橋脚が横倒しとなり、橋が歩回していたりします。ハシゴが設けられていますが、島々谷が増水していると、渡るのに苦労するかも知れません。

岩魚留の滝は魚止の滝と共に良く聞く名です。
現地に行くと分かりますが、ここから先は岩魚も遡れない滝があります。
島々谷の岩魚留の滝もそうなのですが、滝の上流はもの凄い急流で、たとえ滝を岩魚が遡ったとしてもあの急流ではすぐに押し流されてしまうでしょう。岩魚が住める様な流れではありません。

この岩魚留の滝の下流で、釣り人3名とすれ違ったのには驚きました。
首都圏から手軽に行ける渓流はどこも荒されてしまって釣りにならず、天然のイワナやヤマメを釣るには、沢登りをして源流にまで行かないと、と言う話は聞いていたのですが、こんな奥まで入ってくるとは凄いものです。
首都圏の釣り人がそうした状況に嫌気を差して、北海道まで釣りに来る気持ちがこのとき分かりました。

道が崩落していたり橋が流されたりしているものの、勾配がほとんど無いのんびりと歩ける区間は岩魚留小屋までです。ここから先は徳本峠まで休みのない登りとなります。
岩魚留小屋は営業はしていない様子でした。

岩魚留の滝の脇の道を登ってゆくと、雨水で道がところどころ流されてしまっています。ピンクのテープのマーキングが施されていますが、荒々しく道が寸断されているので、道を見失いがちです。道の寸断は、道が沢から離れるまであります。

沢から離れて直角に曲がると本格的な登り道で、ジグザグを切ります。
樹木で薄暗かった空が少しずつ明るくなり白んでくると徳本峠はすぐです。ダケカンバと白樺の疎林の間の道を登って徳本峠に至ります。

徳本峠

徳本峠からの眺望を楽しみにして登って来たのですが、樹木の背丈が伸びたのか隠されてしまい、わずかに穂高の山頂部が見えるだけです。それも日没時刻に着いたので、すぐに暗闇に隠されてしまいました。

徳本峠小屋の管理人二人と話をしましたが、二人とも親切で暖かみがありユーモアを持っています。一夜の宿を取れば面白いでしょう。
テント場は小屋の前の空き地で、すでに一張り張られていました。

地図

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